北九州の建築士 kobaです。
気になる物件を検討する流れについてお話ししますね。リノベーション物件の検討は、物件概要のチェック、現地の確認、建物内部の調査、とすすみます。自分の力で変えられない大きな要素からふるいにかけていくイメージです。
建物内部のチェックが必須なのが、リノベーション計画ならではです。
お伝えしたいポイントは・・・
- 地域、周辺環境といった自分の力では変えられない要素から絞り込む。
- 最終的には、予算に影響する建物調査が必須。調査をできるだけ早く。
- 気になる物件は、物件ページへのリンクなど専門家に送りアドバイスを受ける。
物件調査の3ステップ
物件選びをオーディションに例えるなら、「書類審査」「予選」「最終審査」というイメージで進めます。不動産屋さんや不動産検索サイトで気になる物件を見つけたら、まずは書類審査です。
価格、面積といった情報のほか、引き渡し時期など特殊な条件の記載があれば計画に支障がないか確認します。ほかに”再建築不可”という財産価値に影響する内容や、用途地域の制限などリノベーションの目的が果たせない要素はないか確認します。
物件情報の写真だけでは不十分です。まずは、Googleのストリートビューなどで現地に行く前に予習します。航空写真で現地周辺を俯瞰すると現地で確認したいポイントが見えてきます。
現地では、近隣建物とのかかわり方、日あたり、駐車場をどうするか、新しい生活をイメージしながら確認します。外壁や屋根の傷み具合なども道路から確認できます。
建物内部の見学には所有者の許可が必要です。ただ、見るだけではなく、できれば専門家と一緒に物件診断ができれば理想的です。
検討段階なので「目視調査」になりますが、リノベーションに向く物件かどうかは調べられます。検口から床下や屋根裏の状態、構造材の傷み具合、雨漏れの跡など確認します。特に基礎の状態は予算計画に大きく影響します。購入判断のポイントになりますので、早めにチェックしたいところです。
このままリノベーション計画を進めて良さそうなら、さらに詳しく調査を続けます。間取りや寸法、窓の大きさや位置も測定します。
一部解体調査について(さらに気になる部分の精密検査)
もう建物を取得した後のことになるので、オマケの話になりますが、
不動産売買の手続きが完了し、建物の所有者となったあとは、建物の解体調査が可能になります。気になる部分を詳しく調べることができます。壁の一部をはがして部材の組み方や配管ルートを確認するなど、想定の裏付けをとることができます。
不明確だった部分を明らかにすることで、プランや予算の確実性を高めることができます。
最後に、専門家とのかかわり方について
物件概要のチェック(書類審査)は遠慮なく
物件が見つかったら、つくる人(専門家)に早く伝えて判断するのがいいと思います。専門家も書類審査だけならそれほど時間もかかりませんから負担にならないと思います。
周辺環境の調査は、まずは自分で確認する
書類審査で良さそうなら、ご自身で現地に行ってみて環境を確認するといいですね。通勤通学のこと、お買い物などの利便性、使う立場で暮らしをイメージしてみます。
物件の内部調査は専門家と一緒が理想
次の内部調査は専門家の客観的判断が役立つ場面です。キッチンが汚れや、便器が傷みなど、その場の雰囲気で何となく判断することを防げます。
実際の場所を一緒に歩きながら、ここは活かしたいですね。とか、これは取り換えましょう。新しい暮らしをイメージしながらリノベーションプランを膨らませることもできます。物件選びの最終判断に役立ちます。
最後に、もう一度ポイントおさらい。
- 地域、周辺環境といった自分の力では変えられない要素から絞り込む。
- 最終的には、予算に影響する建物調査が必須。調査をできるだけ早く。
- 気になる物件は、物件ページへのリンクなど専門家に送りアドバイスを受ける。
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