北九州の建築士 kobaです。
リノベーション費用を検討するステップについてお話ししますね。リノベーションは既存建物の個性的な状況に、新しい価値を上乗せするという、この世に2つとない建物を誕生させるプロジェクトです。完全な一品生産なので、正確な費用を把握するためには、いくつかの段階を踏む必要があります。
費用計算の前に、詳しい調査と、練り上げたプラン
リノベーション費用の計算には、4つのステップをふみます。
「調査」→「プラン」→「見積もり」→「資金計画」、特に戸建てリノベーションの場合は「調査」が大切で、合理的なプランの作成にも、無駄の少ない予算算出にも関わってきます。
既存建物をベースにする計画ですから調査は欠かせません。既存の価値を見極めて、残すもの、撤去するものを判断します。もし、避けられない費用が発生する可能性があるなら必要に応じて予算組みします。
費用に影響がありそうな調査項目としては、「構造」「傷み具合」「補強すべき性能」です。
いずれにしても交換する設備機器などの調査は必要ありませんが、排水管の位置はプランに影響するので、位置を把握しておきます。ちょっと細かい話になりすぎました。キリがないのでこの辺で。
新しい計画に既存の価値を活かすという、リノベーションならではの醍醐味を楽しむ場面です。
費用に影響する部分としては、まずは撤去範囲です。間取りの内容でどこまで取り除くかが決まります。つぎにつくる部分。ほとんどのケースでは給水配管は丈夫で長寿命なものに全部交換することになります。
せっかく壁や天井を全部はがしてしまうなら、耐震金物を設置して耐震性を向上したり、断熱性能の向上も難しくないので、そういった費用も予算組みしてしまいます。
性能向上リノベーションにおいては、性能向上(断熱性、耐震性など)の到達点をどこにするかによって見積内容が変わってきます。
詳細な見積を作成するのに時間が必要です。物件検討のために積算の時間を短縮する場合も、一般的に利用が多いものを仮にセットするだけで、詳細な見積もりを作成することに変わりはありません。
詳細な見積もりで、仕様と価格が明確なので、仕様変更を検討する場合も差額計算が容易で適正価格でやりとりできます。仕様変更による不安を
いわゆる、面積当たりいくらというザックリした計算では、つくり手側の安全を確保した価格になるので割高になります。そういった余分なコストの負担を減らすことができます。
物件購入経費を含む予算組み、返済額確認。具体的になったプランの見積額に物件の購入経費、融資関係の費用などを加え、計画全体の総費用が算出できます。月々の返済額を確認して問題なければ完了です。
一般的には、この段階で「詳細な見積もり」を提出するところは少数派みたいです。トコリノでは細かな増減もご検討いただきやすいように、詳しいお見積書を作成しています。
調動かせない柱や壁、給排水管の位置など明確にするため、物件選びから「専門家」の協力を得ましょう。専門家と動くと物件の選びのポイントがわかってきます。自分の好みも早く伝わるし、お互いに良い影響があります。
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